あれから数日。
俺は瑠樹に言われた通りに葵ちゃんを見守っている。
たまにバレてないか心配だけど。
だけど、何事もなく普通に生活している葵ちゃんを見ながら、そろそろ会いに来るかなーと思っていたときの事だった。
教室にケータイを忘れた俺は取りに戻っていると、教室の中から女の声がした。
ドアの隙間から中の様子を伺う。
すると、そこにいたのは、あの日の5人の女子。
そういえば、その内の1人がクラスメートだっだな。
『あー、うっざ。年下のくせに調子乗りやがって…!!』
そう言ったのは、俺がキライなケバい女。三上シオリだった。
『なにが『相澤先輩の事が…!!』よ。気持ち悪。吐き気がするわ。』
1人でベラベラ喋ってる三上。
だが、周りはなにも言わない。
『あんた達も黙ってないで何か言いなさいよ!!』
そう言うと近くの机をガンッと蹴った。
あ、佐田君の机が。
周りの4人はビクッと体を震えさせ、『わ、分かる!!うざいよね!!』と三上に調子を合わす。
なんだこいつら。全然まとまってねーじゃねぇか。
しかも、葵ちゃんの事バカにしやがって…。
俺は今すぐに殴りに行こうとするが瑠樹との約束を思い出した。
あぶねぇ…。
でも、こいつらのこの話を聞いて俺はだんだん予想がついてきた。
もうすぐ…葵ちゃんが助けを求める。
俺がヒーローになる。
その時が。


