『俺が初めて会った日…あいつ…先輩…つか俺の学年の女達に絡まれてた。』
あいつ…まだそれが続いてるのか?
『七瀬。』
瑠樹の声に顔をあげる。
『お前、そいつが会いに来るまで見守っとけよ。泣かせない程度に。』
『…』
『お前にバレたくねぇんだろ。お前のせいでリンチされてること。だからお前は知らないフリすんだよ。ホントにヤバイとき…そいつは絶対、お前に助けを求める。それがお前に会いたいとき。』
真剣な瑠樹の瞳に吸い込まれそうになる。
『それを見逃したら…俺はお前は殴る。…チャンスは1回。その1回でお前がヒーローになるか悪者になるかが決まる。分かったか?』
『…あぁ。』
俺は絶対…ヒーローになる。


