『もっかい言ってみろ、七瀬。捻り潰すぞ。』
そんな空からの後ろに現れたのは蓮夜。
俺らより年上で空の彼氏。すごく優しかったのに…こいつの元カノに結構手ぇ出したけど…。
安心しろ、蓮夜。もうお前の彼女が空の限り俺が手を出すことは一生ないぞ。葵ちゃんがいるしな。
てか、なんで俺の周りはリア充&彼女の事になると彼氏が脅して来るやつばっかなの。
もーやだ。七瀬君泣いちゃう。
『で、最後にいつ会ったわけ?その杉田葵ちゃんに。』
聞いてたのね。
『3日ぐらい前に俺からキッた。』
『うわ!!サイテー!!』
そう言うと周りの皆は軽蔑の目。
ひでぇ。
『七瀬君…自分から言い出して会いたいって言うのはちょっと…連絡先は?』
『知らねー。』
なんか心無しか皆の目が軽蔑から心配する目なった気がするよ。
『葵ちゃん…会いに来いよ…』
さっきから寝転がりながら弱音を吐く俺に空は蹴りを入れた。
『何ウジウジしてんのよ!!それでも余裕でいるのが男ってもんでしょ!?』
『いって!!んだと、クソ女!!』
立ち上がる俺に慌てて瑠樹が止めに入る。
『おい!!人ん家で喧嘩すんな!!』
だが、空はまったく怯まずに強い口調でそういった。
『葵ちゃんが来ないのは何かしら事情があるんじゃないの!?』
『事情なんて…!!』
そこまで言ってハッとする。
まさか…いや、ありえねぇ。
『なにか…思い当たる事が…あるの?』
いきなり黙って静かになる部屋に美亜里ちゃんの声が妙に大きく聞こえた。
俺はペタンと座り込む。


