『ねーねー彼女、泣いてるの?』
『…え?』
溢れてきた涙を拭っていると不意に掛けられた言葉。
見上げてみるとそこにいたのは大学生くらいのチャラい男の人。
『わ、めっちゃ可愛いねー!!こんな美人さんが一人で何してるの?』
優しい声で隣に座る。
今のあたしにはその声が心地よかった。
何か言おうとしても涙が邪魔でうまく言葉を発することができない。
『ん?いーよいーよ、ムリに喋らなくて。ここじゃ話にくい?向こう行こっか!!』
そう言ってお兄さんが指差したのは蓮夜たちがいる方向。
え…。
『い…や…あの…』
小声で訴えるけどお兄さんはニコニコしながら『大丈夫だよ~♪』といいながら力強く引っ張ってくる。


