放課後になり、一人でお店をぐるぐると回る。
だけど別に欲しいものはなくて同じ場所をさっきからずっといる。
『はぁー…』
溜め息をはきながら近くのベンチに腰かける。
『誰か誘おーかな…』
なんて独り言をぼやいたとき。
『ねーぇ!!ペアルックにしよ?』
『なんでカップルじゃねーのにペア!?』
可愛らしい声と聞いたことのある声。
この声…
いや、まさかね。
そう思いながら声のした方に視線を向けると、そこにいたのはショーウィンドーの前で商品を見ている男女の姿。
女の人は茶髪で腰までの髪を綺麗に巻かれている、遠目でもわかるほどの美人さんだ。
男の人は私に背を向けていて顔が見えないけど…茶髪でラフな格好をしていた。
男の人の姿をみて心臓がドクンとなった。
やっぱり…あれは…
『ねー!!お願い!!蓮夜!!』
それを聞いた瞬間、何かが崩れた気がした。
あぁ…やっぱり。
声も髪も後ろ姿も似てる…そりゃそうか。本人だもんね。
連絡こないのは彼女ができたから?
あたしに興味がなくなったから?
あたし達…自然消滅?
考えれば考える程、自分が醜く思えて。
涙が止まらなくて。
どうしたらいいの…?


