すると桃先輩は笑ってくれた。

「私、本当にまだわからないことだらけだけど、よろしくおねがいします。」

ペコリと頭を下げる。

だから俺も慌てて頭を下げた。

「こちらこそ、よろしくお願いします!」

一目惚れから始まった、俺の恋。

期間なんて関係なくなるほど、一瞬で俺をとりこにさせた。

迷いや不安もあったけど、決めてよかった。

めちゃくちゃ嬉しくて、飛び上がりそうなくらいだ。

「帰りましょうか?」

「そうだね。」

春、桜が舞う季節、出会った桃先輩。

可愛くて、優しくて、でも心が強い。

そんな先輩にどんどん惹かれていった。

俺、桃先輩に、出会えてよかった。

「先輩、ありがとうございます。」

「え?そんな、私こそ、ありがとう。」

まだ動き始めたばかりの俺の恋。

ゆっくり、ゆっくり、進んでいく。

手探りで、何もわからない。

だけど先輩が、隣を歩いている、それだけで幸せだから。