「葵!またお迎え来てるよ!」 「……ああ」 放課後になって 忘れかけてたその時、美咲に言われて思い出す。 そっか。 このあと、利用の真相を新條に聞くんだっけ……。 あまりにもめんどうだって思ったせいか、忘れたらこのまま帰ろうとさえ思ってた。 だけどそれを、新條が許してくれることもなくて……。 「帰ろっか。葵」 「……呼び捨て」 「何?」 「……どうでもいい」 勝手に人の名前を、呼び捨てで呼んでることが気に障ったけど、呼び名くらいなんでもいいと思ったからそれ以上突っ込まなかった。