一人残されたあたしは、拓先輩の姿が見えなくなると
その場で崩れ落ちた。


怖くて…
悔しくて……

どんなに体を押さえつけても止まらない震え。



違う…。
瑛太と拓先輩は違う。


そんなの分かってる。



だけどどうしてこんなにも
不安が押し寄せてきているんだろう。




震えだす携帯。

画面には【瑛太】という文字。





「……えいた……」





名前は呼べるのに

このワンプッシュが押せない。