だってだって、あの広い体育館の床だよ!?



そんなの、何時間かかるか分かんないじゃん!!



そして、更に藤堂先生の言葉に耳を疑った。



「あー、今日バスケ部使うからな。部活終わってからな」



なんだと!?



だって部活、7時までやるじゃん!!



こんなの体罰だ!!



「親御さんには連絡しといてやる。帰りも送ってやるから、終わり次第職員室に来い。じゃ、HR始めるぞー」



なんて日だ…。



力なく自分の席に座れば、隣から前から後ろから斜めから…。



みんなが「ドンマイ…」と、声掛けをしてくれる。



そう、これは珍しいことじゃない。



藤堂先生は、こういう先生なんだ。



全ての授業が終わり、トボトボと体育館へ向かう。



とりあえず、バスケ部が終わらないと掃除ができないわけだし。



もしかしたら早めに終わるかもしれないし、とにかく待とう。



わたしはバケツに水を汲むと、雑巾片手に体育館の中へと足を踏み入れた。