「……陽希は、わたしのこと…、見てたんでしょ…?」



い、言っちゃったぁ…。



「あぁ、見てたよ」



答えてくれた、陽希先輩にホッとした。



「わたしも見てたけど、目合ったことなかったよ?」



「…………」



あれ、わたし今敬語使ってナイよね?



陽希先輩が黙るから、わたしも無言になる。



そして何も言わず、わたしの家に着いてしまった。



このまま何も、言ってくれないのかなと思ってたら。



「いいか、一回しか言わねぇぞ」



陽希先輩の言葉に頷けば。



「すみれのこと見てたら、シュート外すんだよ…。ドキドキしすぎて…」



「え、あの、もういっ…」



「だから一回しか言わねぇって言ったろ。また明日、授業終わったら体育館来いよ」



「あ、うんっ!」



陽希先輩は、耳を赤くしながら来た道を歩いて帰っていった。



大野先輩、大好きですっ!!



―end―