体を起こしてママの様子を窺うと、目を見開いて驚いていた。



掛け布団を引っぺがしたまま固まってて。




雷ちゃんを見ると、まだベッドに寝転がってる。



またママを見たら優しい笑顔に変わってた。



「ライちゃんが眠ってたのね♪ 寝てたのに邪魔してゴメンね?」



ママは優しく声を掛ける。
すると目を擦りながら、雷ちゃんが体を起こした。




まだ眠そうでボーッとしてるみたい。



「もう……朝か……」




ママとあたしの存在を気にする事なく、そう言って部屋から出て行った。




「チルも早く支度して来なさいよ?」



あたしに声を掛けて、ママも下に戻って行く。



誰も居なくなった部屋は静か。



あたしはパジャマを脱ぎ捨てた。
Yシャツを着て、ハンガーに掛けてあるチェックのスカートを履く。



ベッドに腰掛けて紺のハイソックスを掃いて、上着を手に下に向かう。



階段を下りてリビングに行くと、ママが朝食を用意してあった。



あたしが来たのに気付いたママは、焦らすように言う。



「チル、早く食べて学校に行きなさい。 遅刻するわよ!!」



あたしは急いで朝食のトーストとハムエッグをお腹に入れた。



そして洗面所に向かうと、洗面所には雷ちゃんが居た。



あたしに笑顔を向けて「はよ~」って挨拶してくれる。



「おはよう。 雷ちゃん、あたしのベッドに寝ぼけて入って来たでしょ?」



そう言って下から上目遣いで睨むと、雷ちゃんは「ゴメン、ゴメン」って笑って謝る。



あたしは雷ちゃんの笑顔に弱い。




「もう……間違えて潜り込まないでね?」


そう言って鏡を独占し、自分の顔にメイクをする。



「分かった、分かった」



そう返事して洗面所から居なくなった。



メイクとか終わってリビングに行くと、ママと雷ちゃんが朝食を摂ってる。



雷ちゃんが朝食を中断して、椅子から立ち上がりカーディガンを肩に掛けた。



紳士用のカーディガンらしく、あたしには大きい。
お尻より下まである。




「チル、それ着とけよ」



そう言って、また椅子に座り朝食を食べてる。



「何で?」



あたしがそう聞くと、雷ちゃんがコッチを向いて睨んだ。



「スカート短いからだよ!!」



「スカート!? 短いかな?」



「短過ぎる!!」


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