「生意気な黒猫だな。」

その言葉とともにふわりと抱きしめられた。


「お前、何あったか知らないけど、あそこまでする理由、なんかあるんだろ。
気になるけどきかねぇでいてやるから。
黙って俺にかわれてろ。今俺はお前が欲しくて仕方が無い。」

圭人の腕の中であがいてた私はいつのまにか自分から抱きついていた。


「かわい。よしよし。」

私を可愛いと言って頭な出てくるやつなんで今までいなかった。
私はこう、背が高くて大人に見られるタイプだから。

力いっぱい圭人に抱きつきながら、ただ人の温もりを感じていた。



ーーー1匹の猫が総長様になついた瞬間でした。


そして抱きしめられた圭人は。

いやこれはやばいだろ…

抱きついてくる細い体と規則正しい息遣い、そして程よい大きさの胸を押し付けられながら理性と戦っていた。

腕の中の可愛くて仕方が無い生き物。
手に入れた嬉しさ。

こんな気持ちを持ったのは初めてで、圭人もただただ幸せを感じていた。