猫を離せない総長さんの話Ⅰ



「三上翠。観念しろ。」

「…本当にそう思うなら離れた方がいいのでは?」

ばれたらばれたで命の恩人は最低女だ。

今私は、いつのまにか壁際に追い込まれて、いわゆる女子のみなさん憧れの壁ドン状態。

ましてや雅圭人なら誰だって望むだろう。

この私を除いて。

「離れない。」

そう言ってもっと距離を縮める圭人。
実はそんなにこういうことに免疫がない私。

白金の美形に問い詰められて顔は引きつり気味で情けなくなるわね。
最低女が聞いて呆れるわよ。