猫を離せない総長さんの話Ⅰ



案外あっさり腕は解かれてホッとして圭人を睨みつけようとすると。


「ちょっ!大丈夫!?」

頭を抱えてうずくまっている圭人がいた。

「けーと!やっぱサッカーボール…」


サッカーボール?

……………………。

沈黙が落ちる。

「…っ!?」

うずくまった圭人が勢い良く顔を上げたから必要以上に驚いてしまった。


その顔はとても真剣だった。

終わった。

その時私はそう悟った…。