猫を離せない総長さんの話Ⅰ



圭人は部屋のソファにどっかり座ってなにやら物色していた。

「なんもないわよ。」

といいつつ圭人の手元を覗き込むと、学校で読んでいた嵐ヶ丘のページをめくっていた。

「これ…。」

なぜか怪訝そうにそれを見ている。
特に何も変わりないけれど…

「嵐ヶ丘、好きなのよ。…それが何か?」

そういうと、深く考え込むような顔をしていや…と言った。