…ん? 猫に触れるとどこかで香ったことのある匂いが鼻についた。 …なんだっけ。 「好きだろ。ってかなんか、匂い…」 そう言って猫の周りの匂いをくんくんかくと、顔を引きつらせた猫がそれこそ猫のように飛びのいた。 「な、なに。犬みたいに。匂いってほら、ご飯作ってるから」 話をはぐらかすようにそういう猫を怪しく思いながらも、あえて触れないことにした。 「ふぅん。ご飯ねぇ…」