猫を離せない総長さんの話Ⅰ




圭人side


「…忘れ物でも?」

インターホンを押してしばらくたち、扉があいて沈黙の後の開口一番はこれだった。

もっとないのかよ、こんにちはてきな。
いや、こんにちは?変か。笑


とにかく俺は学校をどれだ今朝が来ても見つからなかったこいつにもう一度会えたことに安堵した。


「久々。…これお礼。」

そう言ってずいっと突き出したものとは。


「いいと言ったのに。……ってかこれ!」

あんまり表情に出すタイプじゃなさそうな猫が珍しく顔をほころばせている。


「いちご大福。好きなんだろ?」
「え?」

そんなこと言ったかしらとクエスチョンマークを浮かべてる猫。