猫を離せない総長さんの話Ⅰ



あれから雅圭人が戻ってくることはなく、久々の学校で疲れた私はつきまとう男たちを貼り付けた笑顔でかわして帰路についた。


今日は肉じゃが。
私の大好物、よって得意料理

さっさとウィッグを外して乱れた黒髪を手ぐしで撫でて、煩わしいメイクもネイルも全てさよなら。


体に染み付いたきつい香水の匂いだけは取れなくて、肉じゃがを煮ている間にシャワーを浴びようと思った所に奴はやってきた。