猫を離せない総長さんの話Ⅰ



図書室での会議を終わらせた俺は授業に出る気にもならずになんとなく屋上に向かった。

初夏と言うにはまだ早すぎて、暖かい日差しが降り注ぐ。


「……。」

誰かいる。
誰だろうと近づけば。

「…あの女だ。」

隣の席の、ヘラヘラして男と遊びまくってるとかいうあの女。

気づかれる前にここを出ようと思ったが、女の傍らには分厚い本が落ちていて本人は寝ているようだった。


あんな女でも本読むのか?

何と無くの興味だった。