猫を離せない総長さんの話Ⅰ




「…疲れたぞ。」

ウィッグ特有のゴワゴワしたハニーブラウンの髪も、うっとおしいゴテゴテメイクもネイルも、鼻につくきつい香水も。


すべてはいで捨ててしまいたいと思った。

なんでここまで嫌われようとしてるのだろう。


そんな考えを打ち消したくて、持ってきた本を開いた。