猫を離せない総長さんの話Ⅰ



「すいちゃーん、放課後暇?」

あ、ずりぃ!俺も俺も!

と続く男たちのやりとり。

きやすく名前を呼ぶな。
とはいえず

「うーん、ごめんねぇ♡今日は他の人となんだー、今度、誘ってくれるかな?」

なんて気持ちの悪い声でいうから。

「「「わかった♡」」」

こんな調子でかわし続ける。

そんなやり取りをしてため息を付くのを我慢していると、雅さまあ♡圭人さま♡

…と黄色い歓声が飛び交う。
何気無く扉の方を見れば、いつもと同じ無言で不機嫌そうな雅圭人がいた。


…怪我、大丈夫だったのね。
何と無くホッとしながら、視線をそらして目の前の男たちの話の相槌を打つ。