なんとなくこのまま圭人に会うのは危険な気がして、私は1週間ほど学校を休んだ。
土日はマナーレッスンや外国語レッスン。
たまに入るのよね、でもおばさまにはすごく感謝しているからいいのよ。
私が頼って信頼できるのはおばさまと三上家の執事の人やメイドさん。
誰にも心を開かなかった私に、人とうまく付き合う術を教えてくれたおばさま。
無理しなくてもいい、でも、全く閉ざしてしまうのは違うと。
偽りであっても、生きて行く中で人との関わりをたつなど不可能だから。
失うことは悲しいこと。
裏切られるのは胸が張り裂けそうに痛い。
だけど人とともに過ごすことは幸せなのよ、いつかあなたにもわかるかしら。
そう言ったおばさまの言葉だけは、私はわかることができなくて、わかりたくもなかった。
だから私はまた仮面を被る。
三上翠
今日からまた最低女、演じます。