猫を離せない総長さんの話Ⅰ



翠side

うまい、といって幸せそうにスープを頬張る雅圭人は思ったより素直で、なんだか調子が狂ってしまった。


つくったものを褒められて美味しそうに食べられるのは私だって嬉しい。


…とはいえ、予想しなかった方法で人と関わってしまったことに、私はどう対処するか考えあぐねていた。

思案しながらちびちびとスープをすすっていると

「腹、減ってねぇのか?…悪い、なんなとこ見せちまったし…。」

なんて眉を下げながら申し訳なさそうに言う雅圭人。

「そんなことはない。ただ…その…」

「その?」

「熱いものが苦手なだけだ。」

なんだか弱みを見せるのが恥ずかしくて、つっかえながら答える。

あぁはずかしいっ!

「猫舌ねぇ…。俺が冷ましてやろうか。」

「結構です!」

けが人のくせして余裕綽々なこの男にムカついて勢い余ってスープを流し込む。

…と案の定。

「あつっ!けほっっ!〜〜〜〜っ」