猫を離せない総長さんの話Ⅰ



「翠ちゃん、僕、君のことが気に入ったんだ。仲良くしたいな。」


そう言ってニヤニヤと笑う七瀬息子に頬が引きつる。


「………。」

無視に限る。

「あれれ?これ、とても素敵だね。」

そう言って褒められたのは、手首にある圭人のラリエット。

今私の胸にはサファイアが輝いているから、何重かにまきつけてアレンジし、ブレスレットになってる。


「ありがとうございます。」

「いいや。髪の毛も素敵だね、サラサラだ。」

そういうと、七瀬息子は馴れ馴れしくも髪に触れてきた。

調子に乗ってるわね…。

やめてください、と言おうと思ったその時。