「私、何も知らなくてお恥ずかしい限りです。これからもよろしくお願いいたします。」

差し障りのないことを言うと、こちらこそ、では。と言って去って行った。


…なんというか、お金持ちの嫌な感じが全くない気さくな方だったわね。

同じ雅で何と無く反応してしまったけど、目元が圭人似ていたような…

…なわけないわよね。


そんな思考を打ち消して歩き出すと、今度は違うおじさん、そしてさらにおばさん、と次々に声をかけられる。