「なにがあるのよ。」
上品な深い青色のドレスを着せられて、メイク、ヘアメイクも次々に施されていく。
同じく深い青の靴をはかされて、また同じく深い錆びたような青いサファイアを首にかけられ、ピアスだけはダイアモンドの小花をあしらったもの。
「これは…おばさま?なんのお話もなくなんて、あんまりじゃありません?」
これは…
パーティだ。
お金持ちの集まるアレ。
「さすが翠ね、とっても素敵だわ。」
満足そうに微笑んで私を無視するおばさま。
「今日は翠のお披露目になるわねぇ!私の代わりに七瀬財閥のパーティに出席して欲しいのよ。」
「…はぁ。」
「たくさん人はいるけれど…なんとかうまくやってきなさい☆」
☆、じゃないわよ…
「毅然と歩いて、挨拶してくる人だけに挨拶すればいいから。」
「わかりました…」