「あーそれね!」
「知ってたの?」
なら言ってよね…。
「知ってたも何も、圭人が珍しく相談してきたんだよ。圭人とずっと一緒にいるから、きっと顔は周りの族たちに知れ渡ってる。危ないから姫にしたいって。
俺はもちろんOK!」
「圭人…いろいろ考えてたのね…」
「…ん。今まであやふやだったからいろんな噂飛んでるし。翠が危ない目に遭うの嫌だし。」
そういってぎゅっとされると恥ずかしさで顔が熱くなる。
話してくれないのはわかってるから、そのまま滝口に言った。
「あなた。いいの?私なんかが姫になっちゃっても。」
私に強い拒否反応を示してきた滝口に面と向かって聞く。
というのも、やっとこの頃になって、幹部とは口をきくことができるよつになったのよ。


