猫を離せない総長さんの話Ⅰ



「黒猫、翠のほうが」

「まぁいいけど、どういうこと。」

185センチの美形黒髪男子と168センチの黒髪美少女が並ぶと相当神々しいことに本人たちは気づいていない。


そんな2人が倉庫(と呼ぶことにする)の中心で寄り添いながら何か話してる様子は、したっぱ達の尊敬を集めるに十分で。


「なにー、異様な雰囲気だけどって、翠ちゃんだー」

私が圭人を問いただしてると、螺旋階段っぽくなってるとこから幹部の3人が降りてきた。

「「「水城さん、河瀬さん、滝口さん、うっす!」」」


挨拶された3人は各々口々に返事をする。

「あ、ちょうどいい。聞いて。」

圭人がふっというと周りがシン、と静かになった。

「聞いてって…圭人が!わお!進化!」

水城が騒ぐと人睨みされて面白いほどしおれてしまった。

私がはてなを浮かべてるのに気づいたのか、河瀬が教えてくれた。


「圭人、こいつら全然集めて話そうとしなかったんだよ。ほんと、総長らしくもない。」

そう言いながらも笑っている。

「そーだ。そもそも売られた喧嘩買ってたらいろんなやつに尊敬されちゃってどうにもならなくてできたのが青だからな。もともと圭人に総長とかいう自覚そんなないんだよ。」

滝口が何と無くわかるだろ?というとわたしはこくんと頷いた。


「んなわけで、話す時なんかどっか蹴っ飛ばして静かにさせて意味わからないこと言って去って行く始末だったのよ。

だけどこの頃妙に落ち着いてるし丸くなったし、まぁ反動できれると手つけれないけど。相変わらず意味わからないことしか言わないけど、翠ちゃんのおかげでこいつ、すごく変わったんだよ?」


水城がうぃんくして私の頭を撫でると、圭人が私を引っ張って背中の後ろに隠す。


子供かて。