猫を離せない総長さんの話Ⅰ



「なんで謝るの?けーと、助けてくれた。呼んだら来てくれた。」


そうだ。名前を読んだら。
いつも助けてくれるのは圭人。

「すい…、遅くてごめん。」

「大丈夫だか「なにが大丈夫だからだよ!…翠襲われた。泣いてた。」」


圭人の声には強く、強く感情が込められていた。


「壊れそうだった。」

そう言った圭人の言葉にゆらりと心が揺れた。