猫を離せない総長さんの話Ⅰ




圭人side

「助けて、けーと。」

淡々として棒読みのようなこと言葉に、どれだけの気持ちが含まれてるのか。

こんな時なのに、ちゃんと俺を呼んでくれたことが嬉しくてたまらない。


小さいのにやけに通った声を耳にした瞬間、資料室のドアを蹴破っていた。


俺は目を見開いた。


上半身はほとんど裸に近くて、乱暴にされ様子が伺えてしまう。

少しでも動けば触れてしまいそうな距離にあのくそ教師がいて。


組み敷かれた翠は壊れてしまいそうで。


俺の中でプッツリと何かが切れた。