翠side 「おとなしくなったな?」 「………。」 もう諦めて、そういう運命だったってことにして、恐怖感だけが私を支配する。 浮かんでは消える圭人の顔。 脱力して無表情の私に気づいたのか、怪訝そうないけチャラの顔。 そんな私の様子にグッと顔を歪ませたそいつは、まだ触れてなかった私の唇に近づいてくる。 …いやだ。 …やだよ。 けーと。けーと。ねぇ。けーと。 「助けて、けーと。」 唇が触れそうになった瞬間。