猫を離せない総長さんの話Ⅰ




「いやっやめて、やだ、いやいやいや…」

きえいってしまうほど小さな声でしか抵抗できない自分に腹が立った。

でもどうしようもなく怖くて。

『すい、大好きだよ』

思い出したくない声まで聞こえ出して。


気持ち悪い…

もうダメだ、と思って感情も何もかも消えていって、涙だけ流れた時


浮かんだのは圭人の顔だった。