猫を離せない総長さんの話Ⅰ



「うえって、こっちの台詞だ女!」

血の気が多そうだなと思ったら案の定噛み付いてきた赤茶色の髪の男。


そんな男をもちろん無視して圭人に促されて隣の席に座る。

「シカトかてめぇ!」

煩い、と思いながら買ってきたイチゴジャムパンの袋を開ける。

「うるさいぞ、翔。圭人の話聞いてなかったのか?」

うわべ発言張本人のメガネ男が赤茶をなだめる。

「『猫拾ったから。俺の。ってなわけだから頼む。』とだけ言われてもわかんねぇよ!」

圭人が声を荒げる赤茶に「うるせぇ」と一言言うとクソっと悪態をつく赤茶。