猫を離せない総長さんの話Ⅰ



「昼飯忘れてた、翠」

「あなたが朝からうだうだしてるから時間がなかったのよ。」

「購買。」

「ん。」

静かな教室に私たちの決して大きくない声が響く。

きゃあああああああああああああああ!

突然示し合わせたように発せられた声と圭人の周りに群がる女子。


大概の女子が私を一瞬睨んで圭人のところへ向かう。


ご愁傷様、と思いながら頬杖をついて外を見る私。