猫を離せない総長さんの話Ⅰ



「圭人のは?」

そのまま乗り込む圭人に嫌な予感がしたけど、早く乗れと言われてしまい、仕方がなく後ろに乗った。


「掴まってないと落ちるぞ。」

エンジン音を吹かせてそういう圭人に顔面蒼白の私は思いっきり圭人に抱きついた。


笑われた気がしたけど、走り出したバイクの音にかき消され悪態をつくことができなかった。