「ごめん、止まらなかった」 そう言ってしょぼんと私の頭を撫でるこいつに、怒る気力なんてわかなくて。 「なんで。」 謎の行動の理由を聞けば 「したかったから。」 とそれの一点張りで、納得のいく返答を得られなかった。 「嫌だった?」 上半身を離して覗き込むようにして問われた言葉に素直に答えることなんてできなくて。 「わからない知らない。」 と早鐘を打つ心臓を落ち着かせながら行って玄関に向かって歩き出す。