猫を離せない総長さんの話Ⅰ




久々に朝飯を食べた俺は、朝から満足に腹を満たしていた。

「美味かった。」

いつもそういうと何と無く嬉しそうに顔を綻ばず。


ゆるくウェーブさせた黒髪が背中に落ちている。


グレーのスカートに黒のカーディガンを着た翠は、軽くアイメイクを施したのみで程よく着崩した制服は「三上翠」から程遠い。

茶色のスクールバックを買い直していたみたいで、もともとゴテゴテにストラップがついてたらしいバックには何も着いていない。


シンプルな着こなしやメイクが今の翠の綺麗さを浮きだたせていた。