猫を離せない総長さんの話Ⅰ



「食べないとは言わせないからな。」

むすっとして席に着く翠を可愛いなと思いつつ、作ってくれて食べないわけないだろ、と席につこうとした時。


…………………。

「お腹、空くんじゃない。」

盛大に鳴った腹を見つめながら

「ほんとだ。」

と言った。

朝ご飯食べないってかめんどく際し時間ないから抜いていただけだし。


どこかふわふわして掴み所のない圭人を見て苦笑いしつつも、すでにうまい、とご飯をかきこむ姿を見て微笑ましく思った翠だった。