猫を離せない総長さんの話Ⅰ



それだけ言うと私の手を取って寝室に誘った。


束縛されるものを身につけるのは嫌だと思っていたけど、胸元にあるそれは妙に馴染んで拒めない。

『翠が自分を持ってられるお守り』

その言葉が心に残った。


本当に?

そう聞き返して見たい気持ちを押し込めて、黙って寝室に向かった。