猫を離せない総長さんの話Ⅰ




翠side

あーだこーだやりとりしながらやっと家を出たのは11時。


調理道具一式とある程度の食器を買い揃えると、二人でやっと持ち切れるくらいの荷物量になった。


「一回帰ろう」

買い物がもともとそう得意ではない私はそう提案して、クタクタになりながら3時くらいに一時帰宅。


フラフラとソファに沈み込むと立ちっぱなしだった足に血が回るのを感じる。


「俺、残りの買ってくる。」

お疲れの私を見兼ねてそういう圭人。

…なんでそんなけろっとしてるのよ、日頃どんな生活してるのかしら


「悪いから行く」

「いい。買ってきたやつの片付けしてて。そっちのが効率いい。」

頭をぽんぽんされながらそういう奴には逆らえず。

こうしろ、と言われる時必ず頭を撫でられる私は完全に躾の行き届いたペットのよう。

それでも嫌な気がしないのはいつも私のことを考えてるってわかるから。