猫を離せない総長さんの話Ⅰ



「わがまま猫」

その言葉とともにふわりと抱き上げられた。

「お、おろして」

「やだ。」

さっきからやだとダメしか言ってないわよ。

腕の中で身じろぎしても、しっかりした体躯はびくともせずで、脱力感に見舞われた。


1日過ごすだけでこんなに疲れるなんて。