猫を離せない総長さんの話Ⅰ



なのに。

「何考えてる?」

「この2日で何年も経ったみたいって考えてた。あなたのせいで私の日常ぶちこわしよ。」

乾かし終わってドライヤーを机に置くと、大きな背中がもたれかかってきた。


「それ、いい意味に捉えていい?」

頭だけ振り向いてそう聞く圭人は眉尻を下げていて不安げだ。

こういうところがあるから冷たくできない。

「わからないわ。」

そういうと満足げに微笑んで意地っ張り、と言った。