猫を離せない総長さんの話Ⅰ



定位置になりかけているソファに腰掛けた翠はかなりはじによってうつむいている。


「さっきは、悪かった。俺いつもシャワーで済ませるから。温度設定間違えちまった。」


風呂を沸かしたことのない俺はよくわからないままいじったわけで、入れないほどではなかったが、温度を高めにわかせてしまったのだった。


「や、お風呂、好きだけど、あついの、苦手なんだ。それで驚いただけだ。」

あ、やっぱり猫っぽい。

「これからは気をつけよう。」

「いいや、大きな声を出して、悪かった」