猫を離せない総長さんの話Ⅰ



「「……………。」」

私を見たまま固まる圭人。


「お、お風呂のお湯があ、暑かっただけだ。大丈夫だから、早く出て行って」

「わ、悪い」

そう言ってそそくさと出て行く圭人を見届けるととまりかけた心臓が今度は異様なほど早く動き出した。

裸同然の姿を見られたのは初めてでひどく動揺する自分がいた。