翠が戻ってきてそのまま店を出た。 女将さんはにこにこして俺たちを見送ってくれた。 「いい店だな。」 そう言うと翠は微笑んで、でしょっと言った。 「明日は朝から買い物ねー、あなたの家には何もなさすぎるわ」 呆れたように言う翠が可愛くて、そっと手を握った。 「ちょっと、手!」 「手が何?」 「…もういいわ。」