猫を離せない総長さんの話Ⅰ



「私は祐樹さんに挨拶してくる。」

そういって席を外した翠。
あぁ、と返事をしたものの祐樹さん?と疑問に思っていると、察したように私の夫よ、裕子さんが答えた。


「……あなた、雅ホールディングスのご子息ね。」


「なぜそれを?」

俺はまだそっちの方に顔を出してない上に、もちろん一般の人に分かるはずもない。

「私の母は、三上涼子よ。」

驚いた。
三上グループの三上だったのか。
俺の名前くらいは聞いたことがある、ということだろう。

とはいえなんて勘がいいんだ…