翠の言葉を裏切らず、美しい飾り付けと淡白だが素材の味が生きる味付けで舌鼓をうった。
「うまいな」
「でしょ?」
「猫には勿体無い。」
「…子供にも勿体無いわよ。」
「俺は子供じゃないぞ。」
そんなやり取りをしていると、笑を堪えながらさっきの女将が部屋に入ってきた。
「翠ちゃん、この人は彼氏?」
「違うぞ。」
この二人、知り合いだったのか?
俺の表情から読み取ったのか、翠が言った。
「私の叔母の娘さんだ。ここの女将をしている。」
「こんばんは、翠ちゃんの彼氏さん」
「違うと言ったけど。」
なんだかよくわからないが、とても仲が良いのだろう。
「こんばんは。雅圭人です。」
女将さんは少し目を見開いたが、何か?と聞くと、なんでもなかったようにいいえと微笑んだ。
「こんばんは、三上祐子です。翠ちゃんととても仲良しなのね。」
そう言って笑う祐子さんはどこか嬉しそうだ。


