猫を離せない総長さんの話Ⅰ



圭人side

なんだかんだ良くしてくれてるお礼としてはなんだけど、と連れて来られたのは翠のお気に入りのお店という、和食の店だった。


和風だが、どこかスタイリッシュな店内の個室に案内された。

「和食、好きでしょ。」

そんなことをもう見抜く翠は観察眼が鋭い。

「いつもこういうとこきてるのか?」

どこからどう見ても高級店で、高校生が来る店ではない。


翠はまさか、と言いながら、特別な時だけよ、今回はお礼だし奢るわ、と言ってメニューを差し出した。


「ふぅん、俺、これがいい。」

指差したのは季節の天ぷら懐石。
私もそれ、ここの天ぷらは美味しいわよ、と言ってちょうど注文を聞きに来た女将っぽい人に注文を伝えた。