圭人side
なんだかんだ良くしてくれてるお礼としてはなんだけど、と連れて来られたのは翠のお気に入りのお店という、和食の店だった。
和風だが、どこかスタイリッシュな店内の個室に案内された。
「和食、好きでしょ。」
そんなことをもう見抜く翠は観察眼が鋭い。
「いつもこういうとこきてるのか?」
どこからどう見ても高級店で、高校生が来る店ではない。
翠はまさか、と言いながら、特別な時だけよ、今回はお礼だし奢るわ、と言ってメニューを差し出した。
「ふぅん、俺、これがいい。」
指差したのは季節の天ぷら懐石。
私もそれ、ここの天ぷらは美味しいわよ、と言ってちょうど注文を聞きに来た女将っぽい人に注文を伝えた。


