猫を離せない総長さんの話Ⅰ




「し、失礼します」

私の住んでいたところと似たようなマンションの一室。

「適当に座って。」

モノトーンで整理された部屋は綺麗に整頓されていて、落ち着く空間がそこにあった。

「綺麗な部屋だな。」

「…急いで片付けたんだよ。」

そう言って目をそらしながらマグカップに入ったミルクを差し出された。

「緊張がほぐれる。」

ただそれだけ行ってずいっと差し出されたマグカップを受け取って口をつけると、蜂蜜のほのかな甘さが口の中に広がった。


「美味しい」

思わず微笑みがもれる。
温度が熱すぎないくらいに配慮されていて、猫舌な私にはありがたく。

気づいた私が圭人の方を見ると

「猫用な。」

と少し笑った。