猫を離せない総長さんの話Ⅰ




「ここ持ってろ。」

そう言って私の空いている方の手をポケットに突っ込んだ圭人の左腕に絡ませた。

いやこれ恥ずかしいし…
と思いながらも有無を言わせない圭人の口調に、おとなしくそのままでいることにした。


家に着くまで会話はなかったけれど、心地のいい沈黙だった。